ととりBLOG - 朝鮮高校無償化ネット愛知 朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟弁護団声明

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朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟弁護団声明

本日の名古屋地裁への提訴のあたり、朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟弁護団が発表した声明です。

  朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟提訴に寄せて
                            
1 本日2013年1月24日、2010年度の愛知朝鮮高級学校の生徒5名(高校3年生2名、高校2年生1名、高校1年生2名。いずれも2010年度当時)が、名古屋地方裁判所に対し、朝鮮高校生に対する就学支援金の不支給は憲法違反に当たるとして、就学支援金の支給対象から排除されたことによる精神的損害に対する慰謝料を求めて、国家賠償請求訴訟を提起しました。
2 2010年4月1日、「高校無償化」制度(公立高等学校生徒の従業料の無償及び私立高等学校生徒に対する就学支援金の支給)は、「家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が、安心して勉学に打ち込める社会をつくる(文部科学省HPより)」ことを目的として、それまでは国費による就学への援助を受けられなかった各種学校である外国人学校の生徒をも対象として始まりました。これにより、政府は、2012年9月11日、1979年の条約の批准以来実に33年を経て、国際人権(社会権)規約13条2の(b)(c)項、「中等教育および高等教育の漸進的無償化」条項の留保を撤回するなど、「高校無償化」は、教育の機会均等の実現において、画期的な前進をもたらすものでした。
3 しかしながら、「高校無償化」施行後、2年9ヶ月が経過した現在においても、日本の高校生として、ほかの公私立学校に通う高校生と同じように、日夜勉学や部活動に励んでいる朝鮮高校生に対しては、就学支援金が支給されていません。
  制度開始前の予算要求においては当然に対象とされていた朝鮮高校生が、支給対象から排除され続けたのはなぜでしょうか。
  制度開始前においては、日本人拉致事件、朝鮮民主主義人民共和国との国交がないことがあげられました。これに対する国連人種差別撤廃委員会の懸念表明・国内の批判を受けて、文部科学省設置の専門家会議の検討を経て、客観的に高校相当の学校であるかを基準とする審査基準が作られた後には、2010年11月23日の延坪島における朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の砲撃事件が理由とされました。そして、2012年12月28日、下村博文文部科学大臣は、「拉致問題の進展がない」「朝鮮総連との密接な関係」を理由に、ついに朝鮮学校を対象校としないことを明言し、朝鮮学校を就学支援金の対象校から排除する文部科学省令の改悪を行おうとしています。
  このように、政府は一貫して、朝鮮高校生には何らの責任もない政治・外交上の理由をもって、高校生への学びの支援である就学支援金を支給しないできたのです。
4 本日の提訴は、このような国の行為は、憲法が保障する原告らの平等権、人格権、学習権を侵害し、日本が批准する人種差別撤廃条約及び「高校無償化」法に違反するとして、国の損害賠償責任を追及するものです。
  就学支援金の対象とされた外国人学校(中華学校、韓国学校、インターナショナルスクール等37校)については、国交の有無を含む国同士の関係や、教育内容は問題とされておらず、朝鮮高校生にのみ、これらの事実を理由にして就学支援金を支給しないことは差別(平等権侵害)以外のなにものでもありません。
  また、日本の植民地支配の結果、民族の言葉と文化を奪われ、日本の地に在日朝鮮人の3世、4世として生まれた原告らにとって、民族の言葉とルーツ、在日朝鮮人の歴史を学ぶために朝鮮学校で学ぶことは、その人格形成過程において保護されるべき権利です。朝鮮高校を学びの場として認めないばかりか、朝鮮半島の砲撃戦などと結びつけて朝鮮高校への偏見を助長させる政府の行為は、原告らの尊厳を傷つけるものであり、人格権の侵害に当たるものです。
  原告らの希望は、あくまでも、すべての朝鮮高校生に就学支援金が支給されることであるため、損害賠償の内容を、就学支援金相当額ではなく、慰謝料とした次第です。
5 原告らは、17歳から20歳までの年若き青年であり、自らの貴重な青春時代を裁判活動に費やすことについて、悩み、葛藤しながらも、本日の提訴を決断しました。
  それにもかかわらず、今日の提訴行動には、原告らもその保護者も参加できませんでした。それは、原告らの個人情報が流布された場合、嫌がらせ、暴行、脅迫等の犯罪被害が予測されるためです。2002年の日朝首脳会談における拉致事件の正式謝罪以降、朝鮮民主主義人民共和国に関する外交問題が発生するたび、朝鮮学校の生徒は、数百件もの嫌がらせ被害を受けてきました。このような体験を通して培われた原告らと保護者の恐怖感は計り知れません。しかし、それでもなお差別に抗して、学びの権利を実現したいという想いが本日の提訴を支えています。
6 就学支援金の不支給は、国がこのような差別を正当化したものであり、原告らの心に深い傷を与えました。国は、文部科学省で進められている朝鮮高校を排除するための省令改悪を直ちに中止し、原告らに与えた傷について贖う責務を負っています。
  朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟弁護団は、日本国憲法に基づいた正しい判決を求め、原告らの求める当たり前の権利が実現される日まで、原告らと共に闘っていきます。 

2013年1月24日

朝鮮高校生就学支援金不支給違憲国家賠償請求訴訟弁護団
              
  1. 2013/01/24(木) 17:52:13|
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